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Ib×黒バス

第4章 異世界への道標とアリ




中に入ると先ほどの暗さが一転。


緑色で壁も床も天井も統一された部屋が広がっていた。


前へと延びる道の真ん中には一枚の紙が貼ってある


「“はし に ちゅうい”」


はし?両脇なのだろうか、それともただの壁際のことなのか。と考えながら右手に広がる廊下へと目線を向けた。



そこは今先ほどと違い、人間という生物ではなく、昆虫の絵が描かれていた。

テントウ虫に蜂、ちょうちょに蜘蛛。

動きは何もないが、それでも事細かく描かれているその絵に、見とれていると足元になにかが動いているのに気がついた。


小さくて気がつかなかったのだが、どうやらありだ




「あり・・・?」

「ぼく アリ
ぼく 絵 だいすき
ぼくの 絵 かっこいい
ぼくの 絵 見たいけど
ちょっと 遠い とこにある」



とアリの方から声が聞こえてきたのだ。


絵が動くだけではなく、今度はアリが言葉を話し出した。
理解しようとしていた頭はすでにオーバーしていて、フラつきそうになる身体を少しだけ壁に寄りかかることで、少しだけ楽になれた。



だが、アリのいう通りだ。


確かにこの場所にアリの絵はなかった。


ということはもしかして今先ほどの廊下の方にあるのかもしれない。

壁に寄りかかっていたイヴは身体を再度起こし
、“はし”に注意しながら真ん中の道をゆっくりと進むと壁から黒い手が自分の方へと延びて来たのだ。


「きゃっ!」


急いでここの廊下を渡ってしまおうと走ると着いた方向の壁からも黒い手が伸びて来たのだ。

それをなんとか回避するとアリの絵が飾ってあることに気がついた。


それに手を触れると簡単に取り外すことが可能でそれを取るとアリに見せるためにうねうねと動く手をよけながらもどってきたのだった。



アリよりも先に奥へと続く道に気がつき、彼女は先へと進んでいた。


行き止まりになっていたのだが左手にドアがあることに気がつくとドアノブを捻り中へと入った。







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