第4章 異世界への道標とアリ
するとそこには大きな穴が。
小柄な彼女にとって、その穴を飛び越えることも出来ず、ただ一つ残された道は…
「これを使う…?」
アリが描かれた額縁は、人ひとり乗ったとしても、さすがに大人は無理かもしれないが、イヴにとっては一つの可能性として残された道だった。
橋のように、その額縁をかけると、なるべく体重をかけないように額縁の橋を渡った。
ビリッ
少しだけ、紙が破れる音がして、振り返り確認すると自分が渡ってきた場所には一筋の線が。
まるでアリを切り裂くように入った裂け目に申し訳ない気持ちが募った。
(ちゃんと謝ればいいよね)
そう心に決めると先へと進むためにまたドアを開けた。
左へと続く道の先には展示場にあった首がない人形とともに緑色の鍵が落ちていた。
動くかもしれない。
そう思ったけれど鍵を取るために近づき屈んで、緑色の鍵を手にしたのだった。
がたとともに目の前にあった首がない赤色の服の人形は#
イヴを追いかけだしたのだった。
頭がないはずなのに、そのマネキンはまるでイヴを狙うように手を大きく広げたのだ。
「っ!!」
今さっき入ってきたドアを開けて、踏んできたアリを越えるとまたびりっと音がした。
その絵はもうすでにびりびりに破れてしまっていて首なし人形はこちらへと渡ってこれなかったのだった。
それを見て安心すると、彼女はまた別のドアを開けると今さっきのアリの部屋の場所に戻っていた。
緑色の鍵を差し込むとまたがちゃと音とともに先へと進むことができたのだった