第4章 異世界への道標とアリ
そこは今先ほどと変わらない暗さで階段を下りた左右には絵があり、不気味さをまた一様に表わしていた。
「青色のほうに・・・」
そう思って歩いて行くと、壁には
『おいで おいで』
の文字。
近くの机の上には花瓶とともに赤のバラが活けてあった。
棘などがないのを確認するとその赤のバラを手に取った。
なぜかそのバラは、暖かくも感じ、自分の身体に馴染んてくるのがわかった。
がちゃ。
静かな廊下に鍵が開くような音がした。
目の前にあるドアがどうやらあいたらしい。
机をドアの前からずらすと部屋の中へと侵入した。
目の前に広がるのは、大きな額縁に描かれた女性の絵とともに、その地面には青色の鍵が置いてあった
「とって・・・大丈夫だよね・・・」
イヴはゆっくりと近づき、下に落ちてあった青色の鍵を持つともう一度目の前にあった女性の絵を見た。
そこにいたのは優しそうな笑みを浮かべていた女性ではなく、猫のような目をした女があやしくこちらを見て笑っている絵へと変わっていたのだった
「ひっ!!」
思わずその部屋から出た。
絵が勝手に動き出したのだ。
そんなことはない。
頭を振り、でもと先ほどの咳払いをした男も動いていた。
この美術館で展示されている作品はすべてにおいて動くものなのかという考えに結論に至った。
(本当だと、そんなこと起きることはないはずなのに…)
ふと、壁を見ると
『おいで おいで』
の文字が今度は赤色で
『かえせ かえせ』
になっていた。
かえしてほしいのは赤色のバラ?それとも青色の鍵?二つともぎゅうと握りしめて歩きだそうとした瞬間に足元に広がる『かえせ』の文字。
思わず廊下を奥まで走っていた。
息を整えながらあたりを確認すると反対側には青色のドア。
手に持っていた青色の鍵をさしてみるとがちゃとともに鍵が開かれていた。
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