第2章 嵐の夜の訪問者
ドンドンドン!
「!!」
突然ドアを激しく叩く音に、メイサはビクッと震えた。
(こんな時間に誰?)
今は深夜だ。しかも外は嵐。
そんな中歩き回る人がいるだろうか?
そう思っていると…。
ドンドンドン!!
またドアが叩かれる。
間違いなく誰かが訪問してきたのだ。
「……」
このまま無視して勝手に入ってこられても困るので、客人を迎えることを決めて立ち上がった。
引き出しから護身用の銃を取り出す。
女の1人暮らしなのだからこのくらいは必要だ。
玄関では未だに誰かがドアを叩き続けている。
「…どちら様?」
「すまない、子供が熱を出したんだ。少しでいいから休ませてくれ!」
「子供?」
本当だろうか?侵入するための嘘かもしれない。
でも、本当なら追い返すわけにはいかない。
「今開けるわ。言っておくけど、妙な真似はしないでね。こっちは銃を持ってるんだから」
「わかった。こっちも本当に子供がいる。少し休んだらすぐに出ていく」
そんな言葉を鵜呑みにするほどメイサも単純ではない。
かなり勇気を振り絞ってドアを開いた。