第9章 ヤキモチ
どれだけ走っただろうか。
息も絶え絶えで、たどり着いたのは宮殿の入り口の前。
私は、やっと、ここから出られるのだ。
思えばどうして今の今までここから出ようと思わなかったのか疑問に思うくらいだった。
「おや、何処かへ出掛けられるのですか?」
「ええ、ちょっとそこの町まで…」
「でしたら、付き人をつけた方が良いのでは…」
「いいえ、大丈夫です」
門番の話も聞かずに歩き出す。
「あ、それと…」
くるりと踵を返して振り返った。
「…私が出掛けたことは、紅炎様達には内緒にして下さいね?」