第6章 叫び声
「なあ」
「…ん?なんですか」
煌帝国に帰る途中。
ジュダルさんは私を横抱きにして空を飛んでいた。
「なんでお前、あの時呼び捨てで呼んだんだよ」
「あら…気に触りましたか?」
正直、もう忘れていると思った。
「いや…そういうわけじゃねえけど……」
ごにょごにょと、ごまかすように言った。
「……と……」
「?」
「…ずっと…。呼び捨てでも…
いいん、だけど……//」
「……。」
珍しく顔を赤くして言うジュダルさんに驚いて、暫く顔を見つめていた。
「……くすっ」
「…!?なんだよ!なんで今笑った!?」
「うふふっ。いえ、なんだか可笑しくて…」
「~~!!///」
もう知らねえ!と、怒ったような顔をしてそっぽを向いたジュダルさん。
その様子が可愛くて、私は暫く
くすくすと笑っていた。
私が笑っている間、ジュダルさんは耳まで真っ赤に染まっていた。
暫くして、煌帝国に帰って来た。
久しぶり…ってほど久しぶりでもないけれど、やっぱり本国は居心地が良い。
王宮に戻ると、紅明様と紅炎様がお出迎えしてくれて。
ジュダルさんは、紅炎様にこっぴどくお説教されていた。
紅覇くんが何時の間にかやってきて、抱きつかれて。
紅明様に質問攻めされて。
なんだか、もう一つの家族ができたみたいだった。
…ふと、町の皆や本当の家族が脳裏に過ったのは私だけの秘密。
その日の夜。
もう皆は寝ているであろう時間に、私は一人、廊下を歩いていた。
廊下には、私の足音だけが響く。
そして、ある扉の前に止まる。
コンコンと、軽くノックをした。
ここは、
「……ジュダルさん」
「…お、やっと来たか…」
ジュダルさんの部屋だった。
「なんだよ、伝えたいことって」
「……そうですね…では…手短に話しましょうか。」
こほん、と咳払いをして、ジュダルさんと向き合った。
「私、実は……
もう、長くないんです。
…私は、あと一ヶ月で…
死んでしまうんです。」
「……は?」
さっきまで眠そうにしていた目が、一気に見開かれた。