第6章 叫び声
「紅明…様……ですよね?」
「……ああ、シェリーさん…何かご用意ですか……(ブツブツ」
…おそらく、これは紅明様だろう。
だって返事してくれたし。←
ただこれを紅明様だというのは……正直信じたくない。
だって今の紅明様は…
「………(ブツブツ」
ただの……妖怪にしか見えない。
髪の毛はうねうねしていて、なんだかどこぞの魔女みたいだし、口から絶え間なく呪文のような声が聞こえてくる。
これのどこに紅明様要素があるの?
…って聞かれたら、答えられる範囲は服と耳のピアスのみだ。
それでしか紅明様と当てられる自信がない。
髪はうねっているが、ピアスは明るい色なのでなんとか分け目から見えている。
「……どうかしたんですか?」
これ以外に質問が浮かばない。
…あ、なんでハート型のピアス付けてるんですか?…とか?
でも今それを言ったら呪い殺される自信がある。(
「…仕事が……終わらなくてですね…… 」
暫し呟くのを辞め、ため息をつきながら言った。
…あ、そっか。
以前、紅覇くんから聞いたことがある。
"明兄は軍議に携わっていて、それの疲れかなんかで身嗜みが崩れて妖怪みたくなるんだよねぇ"
…つまり、紅明様は疲れが溜まっているのか。
それなら私は…
「……紅明様!」
「、はい…」
「私と付き合ってください!」
「………、は?」
細長な目がぱっちりと見開かれた。