• テキストサイズ

ただの仕立て屋な私は紅覇君に誘拐されました

第2章 出会い


いきなり現れた少年

シェリーside

「おつかれ!今日はもう上がっていいよ!」

「わかりました!」

私はおばちゃんの指示通り、作業を終わらせ店を出た。

町を歩くと人々が私に話しかけてくる。

「よう!シェリー、今日は例のアレ、やんないのかい?」

知り合いのおっちゃんが言う例のアレ、というのは、広場で行う踊りのことである。

と、いうのも、私が息抜きで踊っているだけなのだけれど。

「あー。最近やってなかったし…久々にやろっかな?」

最近は仕立て屋の仕事があり体を動かしていなかった。

「おお!待ってました!じゃあ、早速行こうぜ!」

わくわくとした表情のおっちゃんを見て、思わず笑みがこぼれた。

「そうね!行こっ!」

かく言う私も、軽い足取りで広場へ向かった。




~広場~


広場に着くと、そこにいた人達は私を見た瞬間目を輝かせた。

「シェリーちゃん!今日はやるんだね!」

「久々だね~!楽しみにしてるよ!」

この人達を合図に、次々と人が集まる。

次第に、人は数えきれないほど沢山来ていた。

いつ間にか、様々な楽器なども揃えられている。

皆は、今か今かと期待の目を私に向ける。

「……ふう…」

…ここまで期待されたら、やるしかないよね。

大きく息を吸い、目を閉じて町の声を聞く。

ザワザワと盛り上がる歓声。

さわさわと暖かいそよ風が吹き抜け、私の肌をそっと撫でた。


…そして、ゆっくりと手足を動かした。







ワアアアアア

「いいぞー!」

「もっとやれー!」

さっきよりも大きな歓声の
中、私は踊る。

「~♪」

体が弾む感覚を覚えた。

楽しくて楽しくて。

今の私はきっと満面の笑みを浮かべていると思う。

私は、こんなにも大勢の人の前で今、踊っている。

そう、改めて感じた。




踊り終わり、観客の人達に向かって深くお辞儀をした。

踊りが終わっても、人々の歓声は止まない。

人々の顔をよく見ると、皆笑顔でこちらを見ている。

この瞬間が好きだった。

この笑顔が見たくて、私は踊る。

人々の笑顔を見ていると、私まで笑顔になれる。

すごく幸せだった。

…そう、思った時
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp