• テキストサイズ

ただの仕立て屋な私は紅覇君に誘拐されました

第5章 コイバナ


「紅玉は好きな人、いるの?」

正直言って、その言葉が返ってくるとは思っていなかった。

私は顔が熱くなるのを感じた。

「…なっ、なななな…何で……‼」

「(あれ、この反応は…)…図星、かな?」

「っっ‼!/////」

今の私の顔はきっとさっきよりも熱くなっていることだろう…。

「誰々!?どんな人なの!?性格は!?」

そんな私はお構いなしに、質問攻めしてくるシェリー。

その目は、すごく輝いていた。

「だっ、だから、私はす、好きな人などいなく、てっ…!」

「そんな顔して言われたって効果ないぞー‼むしろ逆効果だぁ‼」

ぎゃ、逆効果…⁉

一体何が逆効果なのだろう。

「で、でもっ…‼私はぁ……」

「ええい‼」

必死に否定し続ける私に、シェリーは切れたように叫んだ。

「そこまで否定するのであれば、こうしてくれるわい‼」

口調がおかしいわよシェリー⁉

なんてツッコミを知ってか知らずか、シェリーはずかずかとこちらに近づいてきた。

反射的に、私は後ろへ下がる。

すると、シェリーはもっと近づいてきて。

そんなやりとりを何度か繰り返していると、突然それは終わりを告げた。

背中に違和感を感じたのだ。

後ろを見ると、そこには壁があって。

「ふふ、もう逃げられないね…?」

シェリーがすぐ近くにいて、私の顔の横にトン、と手をついた。

いわゆる壁ドン。

ふうっ…と、耳に息をかけられ、思わず身体がビクッと震える。

「クスッ……可愛い…」

私の髪をひと束とり、キスをおとすシェリー。

その仕草に、不覚もドキッとしてしまった。

「…紅玉……」

そう呟いて顔を近づけてくる。

……って、

「シェリー…⁉や、やめ……//」

そんな私を無視して、どんどん顔が近づく。

もう駄目だ、と目をぎゅっと瞑った。


でも、いつまでたっても変化は起きなかった。

「……?」

疑問に思い、目をそっと開けると、

「……ふ、くくっ…」

口を押さえて笑っているシェリーの姿があった。
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp