第4章 秘密
遥音side
西谷先輩から連れてこられた公園。
凄くいい場所だと思った。
遠くで明かりが灯る街を眺めながら
西谷先輩と色々な事を話した。
気のせいだろうか、
私の記憶が不思議な程消えていく。
全て忘れてしまいそうだ。
西谷先輩やっぱり凄いな。
…これって、好き…?
そんな事考えると、先輩が急に真顔になって
口を開いた。
西「遥音…話せるか?」
私はその事をすぐに理解する事ができた。
あの、中学の頃の思い出だ。
"チョーシ乗んないで"
"全部あんたのせいなんだから"
あれ、涙が出てきた。
なんで。あんなこと思い出したくない。
嫌だ………
するといつの間にか逞しい手が
目の前に現れた。
西「す、すまねぇ!無理しなくてもいいぞ?」
そんな先輩の言葉に胸を打たれ、
私はついに決心した。
この人に全て打ち明けよう、と。
『大丈夫でず。話します…ヒック』
西「大丈夫だ、大丈夫。怖かったら俺に来い。
胸、貸してやるから。ほら。」
そうして西谷先輩は手を広げた。
そんな先輩に心を打たれ、私はそっと抱きついた。