第4章 秘密
西谷side
俺は遥音の泣き顔を見て決めた。
こいつは俺が護ってやる、と。
そうして、胸の中で泣きじゃくる遥音の背中に
そっと学ランを羽織らせ、言った。
西「落ち着いたら、いつでも話せ。できるか?」
そう言ってしばらくして、遥音の
泣き声が落ち着いた時、遥音が口を開いた。
『私、虐められてたんです…』
西「え?チームメイトか?」
『はい。中2の終わり頃…』
そう言って遥音はまた泣きじゃくる。
西「大丈夫だぞ!ちゃんと聞くから!な?」
そして、全て話してくれた。
ある出来事をきっかけに虐められるようになった事。
練習中も何度も罵声を浴びせられた事。
1番の友達から、裏切られた事。
全て言ってくれた。
遥音はまだ大泣きしている。
そんな遥音の目元を袖口で拭った。
西「そうか……辛かったな。大丈夫だからな。」
そう言って撫でるしかなかった。
どの位時間がたったか分からない。
俺は遥音が泣き止むまで
ずっと背中をさすって傍にいた。