第3章 エース
夢主side
旭さんが西谷先輩に何か言ってたみたいだけど、
大丈夫なのかな?
この試合、何だか先輩の元気がない。
普段のあのうるさい感じもしない。
やはり旭さんとやりにくいからだろうか。
でも違ったみたいだ。
旭さんに向かって先輩は優しく笑っていた。
その横顔が凄くカッコ良くて、
不覚にもドキドキしてしまった。
何てことを考えてると、
旭さんにトスがあがった。
ドガガッ
見てても分かる。
あのスパイクは凄く重いのだと。
でも影山君、月島君、あ、あと田中先輩?
のブロックに捕まってしまった。
誰もが諦めていたその瞬間
西谷先輩が飛び込んで
スーパーレシーブを決めた。
私は思わず見入ってしまった。
田中先輩はなんか泣いていたけど…笑
凄い。それしか言葉が出なかった。
西「もう一回、トスを呼んでくれ!エース!」
その言葉に心を打たれた。
西谷先輩の言葉に感動した
それと同時にバレーをしてた頃の
チームメイトの言葉が蘇る
"あんたエースなんでしょ!?"
そんな苦い思い出に
私は胸をおさえる事しかできなかった。