第2章 2人
夢主side
『また一緒に帰ってもいいですか?』
今までで一番勇気を使ったのかもしれない。
西谷先輩は毎日来てくれるとのこと。
その時は凄く喜んだけど、
西「今日の事、話してくれるの待ってるから。」
彼らしくない、真剣な顔で言われた。
さっきより低いトーンで。
『…わかりました。では、また今度。』
そう、笑顔で言って西谷先輩とは別れた。
部屋に入ってベッドに飛び込み、
大きなため息をつく。
今まで誰にも話した事が無かった。
友達にも、先生にも、家族にも。
あの時みたいに、皆が私から離れていくのが
怖かった。
それでも真剣に向き合おうとしてくれる人がいた。
彼は
私の過去を受け入れてくれるのだろうか。
そんな事を考えながら、色紙を眺めた。