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第11章 証明(リヴァイside)


それから1週間、リヴァイはエルヴィンの執務室に軟禁状態だった。

「てめぇ…いつまで俺を縛り付ける気だ」

「これが全部終わるまでだ」

そう言いながら指が指された書類の束を見てリヴァイはため息をついた。

「俺だって書かなきゃいけねぇ書類が山程あるの知ってるだろ」

リヴァイは不機嫌そうに言葉を放つ。

「勿論だとも。
だがリヴァイにはお礼があるからね」

目の前に居る人物を疎ましく思いながらリヴァイは書きかけの書類に目を戻した。

エルヴィンの優しさからか簡単な書類を書いているがとにかく量が多い。

黙って書類を書いているとエルヴィンが話しかけてきた。

「リヴァイはエミに会いたくないのか?」

「答える必要ねぇだろ」

そう言いながらリヴァイは胸ポケットから指輪を取り出した。

「今はこれがあいつだ」

「ほぉ…」

エルヴィンはリヴァイが見せてきた指輪見つめる。

「それは婚約指輪かな?」

「あぁ…
あいつがこれを俺に預けた。
これを自分だと思って持ってて欲しいらしい」

「愛する人が居るというものはいいな」

「お前だってその気になれば恋人ぐらい出来るだろ」

そう言うとエルヴィンは苦笑いした。

「生憎私に近付いてくる人は私自身ではなく『調査兵団の団長』として見ている。
心から愛してくれる人は居ないよ。
ただ…
いや、やっぱいい」

途中で言うのを辞めた事が気になる。

「話すなら最後まで言え」

眉間に皺を寄せながら言ってくるリヴァイを見ながらエルヴィンは少し微笑みながら言った。

「実は私もエミの事を慕っていたんだよ」

それを聞いたリヴァイは目を開いて驚いた。

「君が彼女を補佐にしたいって言ってきた時、1度断っただろう?
実はあの時、彼女を私の補佐にしようと考えていたんだ」

「じゃあ何で要求を呑んだ」

「私と居ても彼女を幸せにする事は出来ない。
だからリヴァイに託したんだ。
君になら彼女を幸せにする事が出来ると思ってね」

そう言ってエルヴィンは書類に視線を戻す。

「相変わらず自分の事より他の奴を優先するんだな」

「エミの本当の姿を見る為だよ。
彼女は無意識に自分の感情を押し殺している。
壁外で見た姿が本当のエミの姿だ」

そう言われてリヴァイは壁外の時のエミの姿を思い出した。
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