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第11章 証明(リヴァイside)


「つまりだ。
あいつの父親が憲兵によって処刑された事ぐらいは知ってるだろ?」

「まぁそれはエミから聞いた事あるけど…
あー!そうか!
幹部クラスの兵士の処刑の許可するのは王しかいない。
それで憲兵が大嫌いって訳か!」

「まぁ単純に言ったらそんな感じだな」

リヴァイはハンジからエルヴィンに目線を移した。

「で、肝心の謁見では何をするんだ」

「率直に彼女を返して欲しいと言うつもりだ」

にこやかに笑みを浮かべながら答えたエルヴィンに対して3人は呆れた。

「そんな事言った所で簡単に良いですよ、って言う訳無いでしょ」

「勿論それは想定済みだ。
だから切り札を用意している」

「切り札?」

ハンジとミケは完全に呆気に取られていた。

「王の事についてだ。
偽物だって事をね」

「馬鹿か!
そんな事言ったら余計エミが縛り付けられるだけじゃねぇか」

「大丈夫大丈夫。
まぁ私に任せておいて欲しい。
交渉は博打のような物で私の得意分野だ」

それを聞いたリヴァイも呆れて物が言えなくなった。

3人の様子を見て驚いたエルヴィンは「どうしたんだ」と聞くと3人揃って答えた。

「「エルヴィンの考えが理解出来ない」」

そう言われても尚にこやかでいるエルヴィンは3人からしたら異常だった。

元々変人の巣窟と言われている調査兵団だが、そのトップがこの調子だと先が思いやられる。

「とりあえず謁見までに時間はあるから私はそれまでに仕事を片付ける事にするよ。
リヴァイ、手伝ってくれるかい?」

「断る」

「そうか、手伝ってくれるのか。
リヴァイは優しいな~
弁当もパン1つだけっていう気の利いた事をしてくれたお礼だよ」

「パン1つ?」

ハンジが聞くとエルヴィンは笑いながら話した。

「エミを憲兵に連れて行く時にリヴァイが弁当を作ってくれたんだよ。
その弁当箱を開けたらパン1つだけが入っていた。
エミの弁当は美味しそうだったな~」

「当たり前だろ。
何で野郎なんかにまともな弁当を作らねぇといけないんだ」

「よっぽど彼女に惚れてるんだね」

「削ぐぞ」

そのやり取りにミケとハンジは思わず笑ってしまった。

リヴァイが料理をしている所を見てみたい…

「ねぇ、今度私の分も作ってよ!」

「自分で作れ」

「やっぱそうなるんだね…」
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