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第11章 証明(リヴァイside)


夕食が終わると直ぐに幹部全員がエルヴィンの執務室に集まった。

「今日早馬で中央から手紙が来て王との謁見の許可が出た。
日時は1週間後だ」

「思ってたより早いね。
1ヶ月後の予定じゃなかったっけ?」

ハンジの問いかけにエルヴィンは微笑む。

「私が出した手紙にはそう書いた筈なんだが、王が1週間後に会いたいそうだ。
きっとその時にエミとも会うことになるだろう」

それを聞いてハンジは考える。

「もしかしたら王は何か企んでるのかもしれない…」

「その可能性は十分あるだろう。
ミケ、君に警護を頼んでいるが、もし私に銃口が向けられたとしても絶対に手を出さないでくれ」

「分かった」

「ちょっと待って!
今王の側近をしているのはエミなんでしょ?
エルヴィンに銃口向けると思ってるの?」

ハンジは慌てながら言うとリヴァイが口を開いた。

「今、あいつは中央の人間だ。
王の命令なら相手が誰であろうと関係ないだろ」

「確かにそうかもしれないけど…」

的確な事を言われハンジはそれ以上何も言えなかった。

「これは噂で聞いた事なんだが、中央にいる兵士がエミに喧嘩を売ったらしくて、彼女はそれを買ったらしい」

「喧嘩?」

リヴァイが怪訝そうに聞くとエルヴィンは気にする事なく話を続けた。

「どうも1対5で勝ったそうだ」

「そりゃそうだろうな。
あいつは戦術に関してはかなり秀でている」

「まさか相手をボコボコにしてないよね?」

「そこまではしてないらしいが、喧嘩を売った兵士はエミの強さを知らなかったらしい。
変人の巣窟から来た女だからって舐められてたんだろうな」

エルヴィンは笑いながら話した。

「後1つ聞いたんだが、どうも彼女は中央ではかなり冷たい目をしているらしい」

「無理もない。
エミは憲兵だけは異常に嫌っていたからな。
今頃憲兵の兵服を着るだけでも気分悪くなってるだろ」

「どういう事?」

「お前、自分の班に居たのにそんな事も知らねぇのか?」

「うーん…
聞いたこと無いね」

リヴァイは呆れながら説明した。

「あいつが首席で訓練兵を卒業したのは知ってるだろ。
それなのに調査兵団を選んだ。
あいつの過去と結びつけたら当たり前の事だ」

「ごめん、意味が分かんない」

「てめぇの頭はカスか」
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