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第6章 運命


夕方になり演習が終わるとエミは報告書を無我夢中で書き終えた。

リヴァイと話す時間を少しでも増やしたい。

夕食時、いつも通りリヴァイの横で食事をしている時にエミはリヴァイに話しかけた。

「今晩、部屋に行っても構いませんか?」

「俺は構わないが、報告書は書いたのか?」

「もう終わらせて団長にも提出しました。
さすがに驚いていましたよ」

少し笑いながら答えがリヴァイは表情を変えなかった。

その様子を見てエミは少し寂しい気持ちになった。

きっと話す事を予想しているだろう。

「俺も今日の仕事は終わらせてるからいつでも来い」

「分かりました」

それだけ言って食事を終わらせた2人はそれぞれ自室に戻った。

エミはシャワーを浴びて私服に着替え、そのまま隣にあるリヴァイの私室に向かった。

ドアをノックすると直ぐに返事があったので入ると、リヴァイはソファーに座って紅茶を飲んでいた。

座るように告げると温かい紅茶を用意してくれた。

リヴァイが淹れる紅茶はかなり美味しい。

紅茶を受け取ると一口飲んで隣に座ってきたリヴァイに指輪を見せた。

「兵長、これを受け取って貰えませんか?」

その行動に眉間に皺を寄せた。

「団長の話を聞いた後この指輪を見つめて気付いたんです。
この指輪に私と兵長の頭文字が掘られていた事に...
兵長は、私が歩むであろう道を予想されていたんですね」

するとリヴァイはエミを抱き締めた。

その力は今まで1番強かった。

「行くんだな」

そう発せられた言葉は震えていた。

「はい...。
兵長は私と結婚したくないのですか?」

「馬鹿か。
結婚したくない奴に指輪なんか渡さねぇだろ」

「そうですね」

エミは少し笑いながらリヴァイの背中に腕を回した。

「私は兵長を信じています。
なのでこの指輪を持っていて欲しいんです」

そう言うとリヴァイは少し離れた。

「私が中央に行っている間、これを私だと思って持っていて欲しいんです。
その代わり…」

エミは少し言うのを躊躇ったが苦笑いしながら言った。

「兵長のクラバットを1枚頂きたいんです」

「クラバット?」

「はい。
兵長のクラバットには名前が刺繍されているので…」

リヴァイは驚いた様子でエミを見た。
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