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第6章 運命


朝になった。

結局エミもリヴァイも一睡も出来なかった。

食堂で2人揃って朝食を取っている間無言が続く。

(眠い...)

エミが目をゴシゴシ擦るとリヴァイが頭をポンポンと叩いてきた。

きっとリヴァイも眠いのだろう。

「おっはよぉ〜!」

眠気でどんよりとした空気を割るように明るい声の主が目の前に勢いよく座ってきた。

「おはようございます」

エミは精一杯の明るい声で挨拶したがいつもと様子が違う事に気付かれた。

「エミ、元気無いけどどうしたの...
ってリヴァイも隈が酷くなってるじゃん!
もしかして...」

エミとリヴァイの顔を交互に見て、ハンジはニヤニヤと笑う。

「喧嘩?
それとも何か良い事でもあったのかな〜?」

「黙れ、クソメガネ」

リヴァイは厚かましそうにハンジを睨む。

「まぁリヴァイが寝不足なのはいつもの事だけど、大抵エミの事でしょ」

リヴァイが睨んでも怯まないハンジは気にする様子を見せずにリヴァイを見返していた。

「お前こそ寝てねぇだろ」

「あたし?
そりゃそうだよ!
エルヴィンが巨人捕獲の許可をなかなかしてくれなくて、計画立ててた」

「計画立てた所で意味ねぇだろ」

そう言われてハンジはため息をつきながら項垂れる。

「リヴァイもそう思う?」

「いつもの事だろ。
いい加減学習しろ」

リヴァイは立ち上がるとエミに視線を寄こす。

「ハンジさん、用事があるので行きますね」

「ねぇ、エミ!」

いきなり立ち上がって顔を近付けてきたハンジに驚きエミは思わず目を丸くした。

「頑張ってね!」

「はい!?」

何の事を言っているのか分からない彼女とは真逆にリヴァイは頭を抱えるとハンジからエミを離して腕を引っ張って食堂を後にした。

「今のは...」

「あの奇行種も勘が良い」

「なるほど...」

バレバレという事だ。

そのままエミは引っ張られながらエルヴィンの執務室へと向かった。
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