第6章 運命
「ど...どうしよう...」
デッキでリヴァイと過ごした後、エミは自室に戻った。
さすがにリヴァイの部屋で過ごすのは気が引け、自分自身を落ち着かせる為だったが...
「団長にどんな顔をして会えばいいの」
そう呟きながらベッドの上を転がっていた。
睡眠を取らなければ仕事にも支障が出てしまっては元も子も無い。
壁外調査の報告書は免除されたは良かったが、その分部下の演習監督をしていた為それに関する報告書は書かなければならない。
でもそれ以前に早急にやらなくてはならなくなった報告。
エルヴィンは承諾してくれるだろうか。
リヴァイと恋人になって数日で結婚の話になるとは予想外だ。
いくら何でも早すぎる...
リヴァイは淡々としていたが元々結婚する前提で恋人になったのだろうか。
それに関しては答えは見つからない。
「あ゙ぁぁぁぁ!!!」
思わず枕に顔を埋めて叫ぶ。
ドンドンドン!!
いきなりドアが思いっきり叩かれ驚きながら慌ててドアを開けるとリヴァイが形相を変えて立っていた。
「どうした!?」
「へっ...?」
いまいち状況を掴めずにいると強引に部屋に入ってきたのでとりあえずドアを閉めると、リヴァイはエミの肩を掴み問いただしてきた。
「今叫んでなかったか?」
「あっ…」
聞こえていた…
恥ずかしくなり顔が真っ赤になるエミを見てリヴァイは笑った。
叫んだ理由が分かったらしい。
「そんなに心配しなくていい」
そう言ってエミをベッドに座らせるとリヴァイも横に座った。
「明日の事を考えてたんだろ」
更に真っ赤になった顔を見てリヴァイは頬にキスをした。
そしてエミを横に寝かすとリヴァイも密着するように横になる。
「俺も明日の事を考えてた。
お前と一緒に居たかったんだが...」
リヴァイの顔を見ようとすると胸に顔を押し込まれた。
「お前にも1人の時間が必要だと思った。
そしたら叫び声が聞こえたから思わず来てしまった」
胸に顔を抑えつけられている為、リヴァイの心臓の音がよく聞こえた。
かなり早い...
「兵長、もしかして...」
「寝るぞ」
エミの声を遮るように言う辺りからリヴァイも緊張しているのだろう。
そのままリヴァイに抱き締められたまま目を瞑った。