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第5章 面影


暫く睨み合う2人。

睨み合うというよりも睨んでいるのはリヴァイで、エルヴィンは冷たい目でリヴァイを見ている。

「分かった。
リヴァイ、話したいなら話せ。
だが今後エミに何か支障が出る場合は全て責任を取るんだ」

まただ。

兵士長補佐にすると言われた時の冷酷な姿だ。

「エミ」

リヴァイが冷たい声で呼ぶ。

「は...はい!」

「今から話す事はお前の今後の壁外調査に支障が出る可能性がある。
その内容によってはお前を除名処分にするか、俺が全責任を持って退団するか、もしくは...」

リヴァイは一瞬躊躇ったが言わなければならない。

「お前を審議にかける」

エミは言葉を失った。

「話す前に最後に聞く。
今から言う事を聞くか?
それとも聞かないか...」

「聞きます!」

咄嗟に答えた。

自分が巨人と戦う時の記憶が無い理由があるかもしれない。

「エルヴィン、俺の執務室に連れて行っていいか?」

「君が全責任を担うんだ。
好きにするがいい」

その言葉を聞き、リヴァイは顎でエミに合図するとそのまま部屋を出ていく。

後に続いて出ていこうとした時、エルヴィンは一言だけエミに投げかけた。

「辛いかもしれないが受け止めるんだよ」

「はい」

そう答えてドアを閉めた。

リヴァイの後ろを歩いている間無言が続く。

話しかける言葉も無かった。

もし自分が何かをしたらリヴァイの立場も危うい。

それを引き受けてのリヴァイの行動だが、一応婚約者でもある。

彼が背負っている重い物を少しでも軽く出来るのであればと彼の気持ちを受け止めたが、その事が彼に負担をかけさせてしまう形になってしまった。

エミは少し後悔したが気付くとリヴァイの執務室に到着していた。
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