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第4章 誓い


少しして外から聞こえる大声にエミは目を覚ました。

何事だろうと窓から覗いたが何も見えない。

気になって私服のまま兵舎から出ると、リヴァイがハンジの胸ぐらを掴んでいた。

「ちょって待って!
別に悪気があって言った訳じゃ...」

「黙れ、クソメガネ」

騒ぐハンジに向かって明らかにリヴァイは怒っている。

その様子を見て驚いたエミは慌て2人の元に駆け寄った。

「どうしたんですか!?」

声をかけるとハンジはようやくエミに気付き懇願する。

「エミ!
ちょっとリヴァイをどうにかして...」

「何言ってやがんだ。
元々お前のせいでこうなってんだろ」

「兵長!とりあえず離してあげて下さい!
いくらハンジさんでも死んでしまいます」

そう言われてやっとリヴァイはハンジから手を離した。

「エミ、助かったよ。
ありがとう」

そう言いながら首元を摩っている。

無理はない。

ハンジのほうが身長が遥かに高いが、リヴァイは軽々と持ち上げる。

「何かあったんですか?」

エミが聞くとリヴァイは黙ったままだ。

「いやぁ、ただ冗談で言っただけなのに本気で取られてさ...」

「冗談では済まない言葉だろ」

状況的にハンジが何かリヴァイを怒らせた事は分かった。

だけど何を言ったか気になる。

「ハンジさんは何を仰ったんですか?」

「お前が死ぬって事だ」

「え...」

驚いたエミはハンジを見ると、手をヒラヒラさせて言った。

「冗談だって〜
エミはリヴァイと同じで死ぬ事は無いよ。
私の元に居たんだからそのぐらい分かるよ」

「じゃあ何で死ぬなんか言うんだ」

リヴァイは冷たい目でハンジを見つめている。

「明日の壁外調査でリヴァイとエミで巨人と交戦するんでしょ?
万が一って事だよ」

「エミは兵団の中で俺の次に強い。
死ぬなんて方がおかしいだろ」

「まぁリヴァイが居るから絶対死なないけど、1番危険な位置にいる。
死なない確率は0%では無いでしょ」

「行くぞ」

そう言いながらエミの袖を引っ張って兵舎に戻る。

「ちょっとエミと話がしたいんだけど」

「調査から帰ってきてからにしろ」

そう言って、ハンジを置き去りにしてリヴァイの部屋に戻った。
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