第4章 誓い
強引に引っ張られて腕が痛かったが、いつものリヴァイとは違う。
先程までいたリヴァイの私室に入り、鍵をかけるとリヴァイはエミを無理やり抱き締めた。
いつもの温かいリヴァイでは無い。
「...さっきのは一体...」
「黙れ」
その言葉は冷たかった。
エミはリヴァイの背中に腕を回すと、肩に冷たい物を感じた。
(泣いてる...?)
落ち着くまでこのまま抱き締めておこうと思ったが、リヴァイが微かに口を開いた。
「エミ、俺の事をどう思ってる」
どうして今それを聞いて来るのか分からなかったが、正直に答えた。
「...好きです」
するといきなり口を塞がれた。
いつもと違う本当に乱暴過ぎるキスだった。
「本当か?」
顔が離れリヴァイの目を見ると涙で潤んでいる。
「兵長には嘘はつきませんよ」
そう言ってリヴァイの瞼に左手を添え涙を拭うと、いつもエミにだけ見せる優しい顔に戻った。
するとリヴァイは顔に当てられているエミの手を添え、ゆっくりと顔から離すと、そのまま薬指に指輪をはめた。
驚いたエミは指輪を見つめていると今度は両頬を包まれリヴァイの方へと向けられた。
「悪いが俺は待つ事が苦手だ。
これは壁外調査から帰ってきてから渡すつもりだった」
戸惑っているエミを見てリヴァイは少し微笑んで言葉を続けた。
「今回、生きて帰れる保証はいつもより低い。
だが、もし一緒に帰る事が出来たら...」
大きく息を吸い込み
「結婚してくれ」
エミにとってはかなりのサプライズに言葉がなかなか見つからなかったが、エミにとってリヴァイはかけがえのない存在であり、命が続く限り傍に居たいと思える存在になっていた。
「勿論です」
エミの返事にリヴァイは笑顔になった。
「ただし、任務中は私情を挟むな。
プライベート以外では、俺とお前は...」
「上司と部下ですよね」
「良く分かってるな」
エミとリヴァイが微笑んでいる間、ドアの向こうでエルヴィンとハンジが立ち聞きしていた。
リヴァイは勿論気付いていた。