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第16章 幸せ


それからは子育てに必死だった。

リヴァイの手伝いもあって子供は元気にすくすく育ち、あっという間に1歳になろうとしていた。

「リヴァイ」

「どうした」

リヴァイに抱かれて眠っている子供を見てエミは戸惑いながら話した。

「そろそろ服役しても良いですか?」

エミの言葉にリヴァイは思い出した様だった。

「そういえば服役したがってたな」

「はい。
この子ももうすぐ1歳ですしベビーシッターを雇って兵団に戻りたいと考えてます」

「俺は構わないが…エルヴィンが何というかが問題だな」

「では、私が直接団長に言いましょうか」

真剣に話してくるエミを見てリヴァイはため息をついた。

「確かに俺よりお前が言った方が服役出来るかもしれん」

「では、知り合いに子供を見て下さる人が居るのでその人に頼みますね」

「いつそんな知り合いが出来たんだ?」

「街で買い物をしていた時に知り合って、事前に話していたんです」

にっこり笑うエミの言葉に少し驚く。

「相変わらず人望が厚いな」

「そうですか?」

きょとんとする彼女を見て思わず微笑む。

「それなら明日が1番良いだろう。
いきなりだがそいつには頼めるのか?」

「いつでも頼って良いと言って下さってるので大丈夫です」

「分かった。
なら明日の昼頃に迎えに来る。
それまでに預けろ」

「分かりました」

エミは明るい声で返事をするとソファーに座っているリヴァイに抱き着いた。

「団長に会うのは久しぶりなので楽しみです」

「そうか?」

怪訝そうに言うリヴァイに対してエミは力強く「はい」と答えた。

「何の為に荷物を兵舎に残していると思ってるんですか。
私は服役する気満々ですよ?
もし断られても言葉で捻じ伏せます!」

「エルヴィンがそんな簡単に捻じ伏せられる奴じゃないのは知ってるだろ」

「確かにそうかもしれませんが、一発で認めさせる自信はあります」

「どこからそんな自信が出てくるんだ…」

エミの言葉に少し飽きれながらも内心嬉しかった。

もし服役の許可が下りればもっとエミとの時間が作れる。

「リヴァイは何も言わずに私に任せて下さい」

「その時は俺も行くぞ?」

「そっちの方が助かります」

エミは笑顔を見せて答えた。
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