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第16章 幸せ


それから1週間程経った時の夜、ドアがノックされた。

エミは夕飯を済ませ皿を洗っている途中で急いで手を洗ってドアを開けるとリヴァイが立っていた。

その姿に驚き、そして思わず抱き付く。

「お帰りなさい」

「ただいま」

抱き付かれたリヴァイは優しく話しながら抱き返した。

「留守中大丈夫だったか?」

「はい。
1人は寂しかったですが無事にリヴァイが帰って来てくれたのでもう元気になりました」

そう言って笑顔を見せるとリヴァイも微笑む。

家の中に入ると彼はソファーにドカッと座った。

「そういえば夕飯は食べました?」

「兵舎で食べたから大丈夫だ」

「では今洗っている最中だったので片付けてきますね」

嬉しそうなエミの後ろ姿を見てリヴァイの気持ちも少し穏やかになる。

今回の壁外調査でも大勢の仲間が死んだ。

特別班であるリヴァイ班の班員も半数が死んだ為、心が苦しかったがエミを見ると楽になった。

キッチンから戻ってきたエミが風呂は用意出来ていると言うとそのままリヴァイは浴室へ向かった。

その間にベッドを綺麗にする。

久しぶりに会った為か疲れているのがよく分かったので直ぐに寝れるようにした。

リヴァイが浴室から出てくると2人でベッドへと向かった。

「お疲れでしょうからゆっくり休んで下さい」

エミの言葉はリヴァイの心を癒すのに十分だった。

またエミもリヴァイが辛い思いをしているのが手に取る様に分かった。

壁外調査で仲間を失うのは兵士長であるリヴァイにとってかなりの重荷になる。

リヴァイの性格を知っていればその重荷を全て背負い込んでしまう事も分かった。

横になったリヴァイはエミの胸に顔を埋めた。

「やはり…班員も…ですか」

「あぁ…だがあいつらは良くやった」

「そうですね。
でもだからと言って全てを1人で背負う事だけはしないで下さい。
私はリヴァイの重荷を少しでも軽くする事が出来るのであれば、何でもしますよ」

「エミ…」

その言葉にリヴァイは顔を上げるとエミはリヴァイの額にキスを落とす。

「大丈夫です。
どんなに強くても、皆最後はどんな形であろうと死んでしまいます。
それが遅いか早いかの違いです」

「そうだな…」
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