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第16章 幸せ


壁外調査当日、いつもより早く起きて朝ご飯の用意をする。

リヴァイが家を出ると暫くの間エミは1人になる。

いつも通り準備していると寝室からリヴァイが起きてきた。

「おはようございます」

微笑みながら言うと額にキスをされた。

そしていつもより早く兵服に着替え終えると兵舎へ向かう為にリヴァイはドアのほうへと向かった。

「暫く戻れないがきちんと戸締りを忘れるな」

「分かりました」

そう言うといつもより濃厚なキスをしてきた。

唇を離すと「行ってくる」と言いリヴァイはドアを開けた。

「どうかお気をつけて」

その言葉にリヴァイは微笑むとパタンとドアが閉まった。

鍵を閉めていつも通り窓から彼の後姿を眺める。

次に帰って来る日は分からない。

下手したら生きて帰って来る事は無いかもしれない。

壁外は謎だらけで巨人と遭遇したらどうすれば1番良いのかは瞬時に判断しなければならない。

リヴァイは1個旅団の力を持つ人類最強の兵士と言われているが、そんな肩書きはただの肩書き。

エミ自身も人類最強の女兵士と呼ばれている。

いざって時の判断はその時にならないと分からない。

それは兵士全員に言える事だ。

ただ今の自分はただ祈るしか出来ない。

誰一人死なないという事はほぼ不可能。

そう考えると胸が少し苦しくなった。

大切な仲間を失う…

服役する時、知っている仲間は何人残っているのか…

エミは顔を横に振った。

今はそんな事を考えている場合では無い。

とにかく皆が無事である事を祈る事にした。

その後は家事を全て済ませて読書に没頭した。

また気付いた時には夕方になっていた。

少し休憩する為に紅茶を淹れる。

リヴァイが教えてくれた通りに淹れる紅茶は香りが良くとても美味しくなる。

ゆっくりと味わいながら飲むと眠気が襲ってきた。

急いで風呂に入ったあとエミはベッドに潜ってそのまま直ぐに眠った。
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