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第16章 幸せ


翌朝、目を覚ますとリヴァイはまだ隣で寝ていた。

「起きてますよね?」

そう言うと彼は目を開いた。

「よく分かったな」

「いつもの事ですから」

そう微笑んでからエミは台所へと向かった。

リヴァイは少ししてからテーブルへ行くとパンとスープとサラダが用意されていた。

いつも兵舎の朝ご飯はパンとスープだけ取る事が多かった為、サラダがあるのに少し驚く。

サラダを食べると何か新鮮な気持ちになった。

「朝からサラダを食べるのも悪くないな」

「そうなんです!
兵舎ではサラダは有りませんでしたから私にとっては少し物足りなくて…」

エミも椅子に座るともの凄い勢いで食べる。

その光景を見てリヴァイは不思議に思った。

「何でそんなに慌ててるんだ」

「時間を見て下さい」

そう言われて時計を見るとエミが焦っている理由が分かった。

今日は馬を連れてエルヴィンが迎えに来る予定だが、その時間まで後10分しか無かった。

リヴァイも慌てて食べ終えると顔を洗い兵服に着替えた。

それと同時にドアがノックされる。

ドアを開けるとエルヴィンが爽やかな笑顔で立っていた。

「おはよう。
新居はどうだい?」

「とっても良いですよ」

エミが笑顔で話すと「良かった」と答えた。

「リヴァイ、用意は出来たか?」

「あぁ」

そう言ってリヴァイはドアの所に来るとエミの方を向いた。

「エミ、気をつけろ」

「兵長も気を付けて下さいね」

キスをしてリヴァイはエルヴィンと共に兵舎へと戻って行った。

その後ろ姿を窓越しに眺める。

誰も居なくなった部屋を見渡してエミはため息をついた。

兵舎に居た時は必ず誰かが居たが、ここは誰も居ない。

とりあえず食器を片付けると掃除や洗濯を済ませた。

リヴァイの性格を考えるとどんなに忙しくてもこの家に帰って来るだろう。

そう考えて掃除に関しては特に念入りにした。

全て家事を済ませて何もする事が無くなったので、兵舎から持ってきた本を1冊取り出して読み始めた。

だが集中出来ない。

先日までの激務から解放されたのは良いが、何か物足りなく感じる。

そう感じながらもまた本を視線を移すといつの間にか時間はどんどん流れていた。

気が付いて時計を見ると夕方の5時を指していた。
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