第16章 幸せ
暫くするとテーブルの上には豪華な食事が並べられた。
「お口に合うか分かりませんが…」
それを聞いて目の前にあったスープをリヴァイは1口飲んだ。
「…美味い」
「本当ですか!?」
リヴァイの褒め言葉にエミは大喜びした。
「そう言えばお前は小さい頃から料理をしていたな」
「はい。
なので家事は得意ですよ」
「掃除は俺の方が上だがな」
「それは…確かにそうですね…」
顔を曇らせながら言うとリヴァイは少し笑った。
「お前の掃除は俺程では無いが合格点だ」
そう言うとエミの表情が一気に明るくなる。
食事を済ませ皿洗いをしていると気を利かせたリヴァイは風呂に入る為に湯船を溜めてくれた。
入浴剤を入れると大好きな香りがリビングにまで広がる。
「風呂入って今日は寝るぞ」
「はい」
皿洗いを終えたエミは浴室へ行き服を脱いだ。
結婚したばかりの頃は恥ずかしさでリヴァイの体さえもまともに見れなかったが、今では何とか見れるまで心を落ち着かせる事が出来る。
2人揃って体を洗ってから湯船に浸かると心地良い温かさで幸せな気分になった。
「さっきお前の裸を見て思ったんだが…」
「どうされました?」
「少し腹が出てきたな」
「確かにそうですね。
でもこれは太ったからじゃないですからね!」
「分かってる」
その後は2人で湯船の掛け合いっこをした。
兵舎の浴室と違い広い浴槽であった為はしゃぐ事が出来る。
リヴァイがはしゃぐ様子を見る事が出来るのはエミだけだろう。
彼はエミとはだいぶ年が上ではあるが子供好きな為か意外と子供っぽい所がある。
そろそろのぼせそうになってきた2人は浴室から出ると私服に着替えた。
そしてそのままベッドに横になる。
「何か今日は充実した1日になりましたね」
「あぁ。
2人でこんなにひたすら話したのも久しぶりだな」
「そうですね」
エミがにっこり笑うとリヴァイも笑う。
リヴァイは近々の壁外調査の為に明日は兵舎に戻らなければならない。
リヴァイが居ない間エミは1人で居る事になる為、2人で居るこの時間を大切にしたかった。
「エミ」
名前を呼ばれて振り向くとキスの嵐にあった。
「愛してる」
「私もです、リヴァイ」