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第2章 真実


浴室から出るとリヴァイは書類を険しい顔で読んでいた。

「あの...お先にお風呂をお借りしてすみません」

「気にしなくていい」

書類から目を話さずにリヴァイは答えた。

「あ...あの紅茶でも入れましょうか?」

その言葉を聞いてやっと書類から目を離した。

「頼む」

そう言ってリヴァイはテーブルの椅子から立ち上がり、ソファーにドカッと座る。

相当疲れているのだろう。

紅茶をカップに淹れリヴァイの目の前に置いた。

それを見てエミが淹れてくれた紅茶を少し飲む。

「紅茶を入れるの上手いな」

リヴァイは関心した様に紅茶を眺める。

「幼い頃から料理をしていたので、それでかもしれません」

そう答えるとリヴァイは口角を少し上げて笑った。

「俺も風呂に入ってくる。
寝たかったらベッドを使っていい」

「いえっ!
私が使ったら兵長はどこで寝るんですか?」

「適当にそこら辺で寝る」

そう言ってリヴァイは浴室へと行ってしまった。

どうするべきかエミは悩んだが、相手は上司だ。

上司のベッドを占領する訳にはいかない。

そしてエミはリヴァイが座っていた椅子の反対側の椅子に腰を掛けた。

書類の束を見ると幹部の大変さが伝わる。

特にリヴァイは兵士長だ。

エルヴィンよりは少ないだろうが、それでも1日中書類と目を通さないと片付かない。

父もこんな大変な仕事をしていたのか...

「どうした?」

突然背後から話しかけられ驚くとリヴァイはベッドに目線を向けた。

「あの...私だけがベッドを使わせて貰うのはどうかと...」

「じゃあ、俺と一緒だったらいいのか?」

「な...何を言ってるんですか!」

赤面するエミを見てリヴァイは彼女を横抱きにしてベッドに連れていく。

エミが困惑していると耳元でリヴァイが囁いた。

「心配しなくていい。
俺の側近になったからには俺の隣に居て欲しい」

そう言われてエミは顔が真っ赤になった。

初めて言われた言葉に戸惑いを隠せない。

慌てふためいているエミを見てリヴァイは少し笑ったが、エミは気付かなかった。
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