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第2章 真実


その頃エルヴィンは訓練兵の教官をしているキースの元にいた。

「いくらリヴァイの提案とはいえ、エミをいきなり兵士長補佐にするのは早いのではないか?」

「私も初めはそう思っていました。
だが、エミの活躍はリヴァイの次に凄いんだよ。
初めての壁外で、エミは新兵とは思えない働きをした。
巨人3体を相手に1人で相手したそうだ。
彼女は...」

エルヴィンは片手を口元に持って行き、考え込むように口を開く。

「もしかしたら人類の脅威になるかもしれない。
そうなった時にリヴァイが傍にいたらどうにかなる」

それを聞いてキースはため息をつく。

「まさか、エミの父親が関係しているのか?」

「可能性は無くはない。
普段は平然としているが、きっと気付いていない。
彼女の動力源は父親だ」

エルヴィンは真剣な目つきでキースを見る。

キースも考えているようだ。

「確かにエルヴィンの言う通りかもしれん。
エミは訓練兵時代に言った事がある」

エルヴィンに難しい表情で言った。

「父親を殺した憲兵を憎んでいる。
どんな理由であろうと、父親は処刑されるべきでは無い...と。
この言葉がどういう理由か分かるか?」

「つまり、憲兵どころか兵士自体を憎んでいる...という事か」

「あぁ、そういう事だ」

エルヴィンは徐に立ち上がるとキースに言った。

「今日の所は失礼するよ。
仕事がまだ残っているのでね」

そしてキースの小屋を後にした。

帰りの道中、エルヴィンの不安は大きくなっていた。

エミを補佐にしたのは正しかったのか?

リヴァイから提案された時、かなり乗り気になれなかった。

むしろ今現在後悔している。

だが次の璧外調査で全てが明らかになるだろう。

そう思って空を見上げた。

空は綺麗な星が沢山光っていた。
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