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第16章 幸せ


「エミ、驚いたか?」

リヴァイは優しく聞くとエミは頷く事しか出来なかった。

その様子を見て再び微笑むとエルヴィンの方へと向いた。

「では始めるとしよう」

エルヴィンはにこやかな笑顔を見せると神父の様に話し出した。

「新郎リヴァイ、君は今隣に居るエミ・ユベラを生涯守り、愛すると誓うか?」

「あぁ、誓う」

いつも通りの喋り方で答えたリヴァイを見てエルヴィンはため息をつく。

「リヴァイ…そこは『誓います』だろ…」

「同じ事だろ。
続けろ」

エルヴィンは呆れた顔でリヴァイを見てから、今度はエミの方へと視線を移した。

「新婦エミ・ユベラ、君は今隣に居るリヴァイを生涯愛し続けると誓うか?」

「はい、誓います」

涙を流しながら答える彼女を見てエルヴィンは優しく微笑んだ。

「それでは指輪の交換を」

そう言うとハンジが2人の前に白の布で覆われた何かを持ってきた。

そこには指輪が2つ置かれていた。

その指輪を見てエミは驚く。

差し出された指輪はかつてリヴァイと一緒に街へ出掛けた時に一目見て気に入った指輪だった。

「これは…」

「お前が気に入った指輪だ」

するとリヴァイは指輪を1つ取るとエミの左手を取り、薬指に指輪をはめる。

そしてエミももう1つの指輪を取るとリヴァイの左手の薬指にはめた。

はめ終わった事を確認するとエルヴィンは進行を続けた。

「それでは誓いのキスを」

「えぇ!?」

思わずエミは大声を出した。

「何故驚く」

そう聞きながらリヴァイはベールを後ろへと捲った。

「こんな大勢の前でキスですか…?」

「結婚式なんだから当たり前だろ」

そしてリヴァイはエミの唇にキスをした。

恥ずかしさのあまり顔が赤くなっていくのが分かる。

「これで2人が無事夫婦となった事をここに居る全員が認めたよ」

エルヴィンが優しく言うとやっと先程の驚きから心が解放され、そしてまた涙が溢れた。

「まだやる事あるでしょ?」

ハンジが笑顔で言った言葉でエミは気付いた。

「じゃあ投げますよ!」

それを言って思いっきりブーケを投げると入口に当たり、誰も取れなかった。

「お前…」

リヴァイはその様子に言葉が出なかった。
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