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第15章 変化


湯船が溜まり入浴剤を入れてからエミは急いで体を洗いお湯に浸かった。

リヴァイが再び浴室に入ってきた時には既に湯船の中に居た。

「ちゃんと体洗ったのか?」

怪訝そうに言うリヴァイに背中を向けたままエミは答えた。

「ちゃんと洗いましたよ。
リヴァイが入って来るまでに綺麗に洗いました!」

少し皮肉交じりに答えるとリヴァイは気にする様子を見せずに体を洗い始めた。

体を洗っている間は浴槽からは後姿しか見えないのでチラッとリヴァイを見るとその体に驚いた。

見た目からは全く想像できない程筋肉が無駄無く鍛えられているのが分かる。

兵士長という立場とは程遠い身長とは裏腹の体格。

きっと他の兵士より努力をしているのだろう。

そう考えながらボーッとしているとリヴァイが立ち上がった。

急いでリヴァイから視線を外し湯船に首まで浸かる。

「今、俺の事見てただろ」

「見てません」

エミはリヴァイから離れながら答えた。

その様子に微笑みながらリヴァイも湯船に浸かった。

両腕を浴槽の淵に置いて少し伸びをする。

その腕は逞しくそして白かった。

「リヴァイって肌白いんですね」

唐突に出た言葉に自分自身恥ずかしくなった。

その様子を見てリヴァイは微笑む。

「夏でも兵服は長袖だからな。
殆ど日焼けしないだろ」

「確かにそうですけど…
腕まくりしたら少しは焼けますよ?」

「俺の勤務内容見たら分かるだろ」

そう言われてエミは納得した。

昼間は書類に追われる為部屋に篭っている。

書類がある程度片付く頃には夜になっているので、リヴァイが鍛錬する時は大抵夜だった。

以前に壁外調査前にリヴァイと共に過ごした時も鍛錬は夜が多かったと思い出す。

「それにしても筋肉凄いですね」

「あぁ…」

リヴァイは自分の腕を見て答えた。

「俺は男としては身長が低い。
その分力ぐらいは付けておかないと他の奴らに舐められる」

「なるほど…」

エミが相変わらずリヴァイから離れて首まで湯船に浸かっている姿を見て、思わず笑ってしまった。

「お前、どんだけ恥ずかしがってんだ」

「私は女です。
でも胸は小さいし体は傷だらけですし…」

そう言うとリヴァイは微笑みながら言った。

「ここに居る限り皆そうだ。
俺は外見より内面を重視する」
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