第15章 変化
それからはかなり大変だった。
「これ以上飲むな」とリヴァイに言われコップを取り上げられ、4人で倒れたエルヴィンを私室のベッドまで運ぶ。
「疲れた…」
ハンジはそう言ってベッドにエルヴィンを運び終えるとその場で仰向けになる。
リヴァイとミケは息が完全に上がっていた。
エミはというと息が全く乱れていない。
「お前…手でも抜きやがったか?」
「そんな事無いですよ!
ちゃんと足を持っていたじゃないですか」
「確かにそうだけど…
疲れなかった?」
ハンジはハアハアと息をしながら立ち上がる。
「少しだけ疲れましたが…
そんなに疲れました?」
「「疲れた!」」
3人同時に言われてエミは驚いた。
「そういえば、エミの体力って底なしだっけ…」
「言われてみればそうだったな…」
「確かに演習でも息が上がってないな」
3人がエミについて次々と話す。
「とりあえず部屋に帰ろう。
もうベッドで休みたい…」
ハンジが言うと皆納得して私室へと戻って行った。
エミとリヴァイは私室に戻るとリヴァイはソファーに倒れ込む。
「…大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない」
倒れ込んだまま答えるリヴァイを見て少し気まずくなる。
「お風呂にでも入ります?」
「そうだな」
「ではお湯を貯めてきますね」
そう言ってエミは浴室に行きお湯を貯め始めた。
湯船が溜まる様子を眺めているとリヴァイがやって来てエミに引っ付く様に横に座る。
そしてエミの肩を抱き締めた。
「お前はどんな体力してやがんだ」
少し呆れた様に言うリヴァイを見て思わず微笑む。
「そんなの私だって分かりませんよ。
あっ、でも走り込み50周はさすがに疲れます」
「お前は馬鹿か。
俺は冗談で言ったつもりだったが、本当に50周走るとは思わなかった」
「そうなんですか!?」
驚くエミを見てリヴァイはまたため息をつく。
「50周なんか俺でも疲れる。
他の兵士は絶対無理な距離だ」
「確かに演習ではせいぜい20週ぐらいですね」
思い出したかの様に言うとリヴァイは突然頬にキスをした。
「あ、今日こそは1人で入らせて…」
「駄目だ」
言葉を遮る様に言われてエミはいつもの様に項垂れた。