第15章 変化
兵舎に到着するとハンジとミケが3人を出迎えた。
「おかえり~!
どうだった!?」
ハンジはエミの腕を掴みギラギラと目を輝かすとリヴァイが思いっきりハンジの背中を蹴った。
「気安く触るなと言っただろ」
「女でも駄目なの?」
背中を摩りながら聞くとリヴァイは当たり前だと言わんばかりの殺気に満ちた顔で睨む。
「ちょっとさ~、嫉妬深すぎない?」
「てめぇを女だと思った事は1度も無い」
「何で!?
どっからどう見ても女でしょ!
エミもそう思うよね!?」
「確かにハンジさんは女ですよ」
微笑んで答えるとリヴァイはため息をついた。
「行くぞ」
そう言ってエミの腕を引っ張って私室へと向かった。
部屋に入るとリヴァイはマントを脱いでそのままソファーにドカッと座った。
「そんなに疲れたんですか?」
エミもマントを脱ぎテーブルに置いてリヴァイの隣に座った。
「お前、何で馬から下りるんだ…」
「そっちの方が戦いやすいからです」
「森とか旧市街地とかなら分かるが、平地で馬から下りると自殺行為だぞ」
「勿論それは分かっています。
しかし、馬に乗ったままだと馬に巨人の手が当たったりでもしたら態勢を整えるのが大変になりますから」
微笑みながら答えるとリヴァイはため息をつきながらエミの頭を自分の肩に乗せた。
「とりあえず、記憶が無くならない状態になったのは良かったな」
「そうですね。
団長に聞かれた時、今更ですが巨人の顔を初めて知りました」
「だろうな」
リヴァイは立ち上がると紅茶を淹れる為にお湯を沸かし始めた。
「あっ!
私がやります!」
エミは慌ててリヴァイの元に行くと驚いた様子で見てきた。
「この前教えて下さったので、美味しく淹れれるか試したいんです」
ニッコリと笑うとリヴァイも思わず微笑む。
「明日だな…」
「何がですか?」
リヴァイが呟いたのを聞いてエミは尋ねると「何でもない」と言われた。
少し疑問に思ったが気にしない様にしてリヴァイが教えてくれた様に紅茶を淹れた。
カップを1つ渡すとリヴァイは1口飲む。
その様子を隣で緊張しながらエミが見ていると微笑んでリヴァイは答えた。
「上出来だ」
その言葉にエミは喜んだ。