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第14章 感覚


「リヴァイか。
連れて来てくれて有難う」

微笑みながらエルヴィンが言い、いつも通り2人は椅子に座った。

「明日の事で少々変更する事があってね」

エルヴィンはエミを見ながら話す。

「この前は何でも良いから1体だけ交戦してくれと言ったが、普通の巨人と奇行種両方と接触しようと思う」

「両方…ですか?」

「普通の巨人だけでも十分なんだが、一応念の為と言ったら分かるかな?」

エミは少し考えて質問をした。

「それはもしかしたら、普通の巨人を相手した時と奇行種を相手にする時の違いを調べるという事ですか?」

「そういう事だ」

そう言って話を続けた。

「これに関してはリヴァイも納得してくれていてね。
普通の巨人では記憶を失う事は無くても、奇行種の場合違う可能性がある」

「そういう事であれば私は構いませんが、奇行種に関しては現れるまでどのぐらい時間がかかるか分からないと思います」

「それなら問題無い」

突然話したリヴァイに驚きながらエミはリヴァイの方を向く。

「状況にもよるが、もし奇行種が現れない場合は俺が連れてくる」

「それは危険です!
いくら兵長でも、奇行種の種類によってはかなりの危険が伴います!」

「俺の事が信じられないのか?」

「いえ…そう言う事では無いのですが…」

「なら問題無い」

覚悟しとけっていうのはこの事だったのかと思うとため息が出た。

「私とリヴァイは君を信じる。
だから君も私達を信じて貰えないかな?」

苦笑いしながら言ってきたエルヴィンを見ると頷くしか無かった。

きっと今回の作戦について2人が話し合っていたのは自分が演習をしている時だった筈だ。

それ以外ではリヴァイは必ず自分の隣に居た。

そのおかげで他の兵士達と長時間話す事が出来ず、主に幹部としか会話をした覚えが無い。

エルヴィンの執務室を出てそのまま私室へと向かった。

だいぶ慣れてきた為、この部屋に居る事に違和感を覚える事は少なくなってきたが、それでも気になる事は1つある。

「へい…リヴァイ」

「何だ」

「あ、いえ…何でもありません」

エミは思わず聞くのを躊躇った。

結婚したは良いが式をいつするのかが気になっていた。

いきなり壁外に行く事になった為、そういう話をする状況を作る事が出来なかったのもあった。
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