第14章 感覚
翌朝、エミが目を覚ますと隣でリヴァイが寝ていた。
昨日は内地から帰ったばかりで疲れていた為、風呂に入って直ぐにベッドに行きそのまま寝てしまっていた。
(これからここで寝るのか…)
何か落ち着かない。
今までも何回かリヴァイの私室で寝た事はあるが、今は夫婦だ。
全く実感が無い…
エミは顔を洗おうと起き上がるとリヴァイがこちらを見てきた。
「あっ、もしかして起こしてしまいました?」
「起こされた…というよりお前が目を覚ました頃に起きた」
「何か…すみません」
「謝らなくて良い」
そう言ってリヴァイはエミを抱き寄せる。
「これから毎日隣で一緒に寝れると考えるとあまり寝れなくてな」
「では私はやはり自分の部屋で寝るべきでしょうか」
「馬鹿言え」
リヴァイはエミの頭をポンポンと軽く叩く。
「俺はお前と一緒が良い」
率直に言われ思わず顔が赤くなった。
「ちょっと顔を洗ってきます」
急いでベッドから下りるとそのまま洗面所へと向かった。
歯磨きをして顔を洗い、タオルで顔を拭いて目の前の鏡で自分の顔を見ると、真っ赤に染まった自分の顔が映った。
こんな顔をしていたと思うと恥ずかしくなる。
「どうした?」
いきなり横から声を掛けられ驚いてリヴァイを見た。
「いえ…こんなに私って顔を真っ赤にしてたんですか…?」
「そうだが、それがどうした」
「何か恥ずかしいです」
エミは苦笑いするとリヴァイは優しく微笑む。
「紅茶でも飲むか?」
「はい。
あっ!
私が淹れます」
そう言って簡単な作りの備え付けのキッチンへと向かう。
戸棚から茶葉を取り出しているとリヴァイがお湯を沸かしていた。
「上手い紅茶の淹れ方を教えてやる」
するとてきぱきと淹れながら細かく説明してくれた。
「こうする事で同じ茶葉でも味が違ってくる」
感心しながらその様子を見ていたエミは淹れたての紅茶を一口飲むと凄く美味しかった。
「さすがへいちょ…リヴァイですね」
いつもの癖で兵長と呼びそうになったのを慌てて言い直すとリヴァイは微笑んだ。
2人はソファーに座ると今日の事を話し始めた。
「今日はまず基礎体力からだな」
「夜になったら倒れてるかもしれませんね」
エミは苦笑いした。