第13章 帰還
それから久しぶりに調査兵団の兵舎で食べる夕食は楽しかった。
相変わらず隣にリヴァイが座っていた為、兵士達は遠慮しながら話しかけてくるが、ハンジは違った。
「もうエミが居ない間すっごく大変だったんだから!」
「何かあったんですか?」
「リヴァイだよ!リヴァイ!」
ハンジは目の前に本人が居る事を気にせずに話す。
「いっつもイライラしてて話しかけたら怖い顔で睨んでくるし、しかもエルヴィンの執務室に軟禁状態だったからそれはもう手が付けられないぐらい酷くて」
「当たり前だ。
俺も書かなきゃならねぇ書類が山程あるのにエルヴィンの書類まで押し付けられたんだぞ」
「そりゃ弁当にパン1個しか入れてなかったんだから、それは自己責任でしょ。
それに、謁見の許可が下りた後私とミケも手伝ったでしょ」
その会話を聞いてエミは思わず笑った。
「そうだ。
今日この後次の壁外調査の件で話があるから幹部は来てくれって言ってたよ」
「それは私も行くべきなんですか?」
「勿論!
調査兵団ではエミはリヴァイの補佐に変わりはないからね」
「分かりました」
そう穏やかに答えるとハンジは項垂れた。
「また今回も巨人の捕獲はしないんだって。
もう気が狂いそう」
「てめぇの気はいつも狂ってるだろ」
相変わらずの会話が聞ける事がエミは楽しかった。
食事を済ませると3人はエルヴィンの執務室へと向かう。
懐かしい兵舎の中を歩き、リヴァイはドアをノックして入った。
「3人共来たね。
じゃあ次の壁外調査の事を話そう」
その言葉を合図に既にソファーに座っていたミケの横にハンジが座り、もう1つのソファーにエミとリヴァイが座った。
「次の壁外調査は1週間後だ」
「また今回も早いね」
「今回は少し今までの壁外調査とは違って、エミの戦闘能力を試すんだよ」
「私の…ですか?」
エミは驚いて聞くとエルヴィンが微笑みながら話した。
「今回は正式な調査では無い。
君が中央へ行った事によって、何か変わったかを見るだけだよ」
「つまり、巨人と交戦する時の状態を確認するだけか」
「そういう事だ」
エルヴィンとリヴァイの話の意味がよく分からないでいると、それを察知したのかエルヴィンは話を続けた。