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第13章 帰還


「それで今回は私とリヴァイとエミだけで壁外へ行く事にする」

「たった3人ですか!?」

思わず叫びながら立ってしまったのでとりあえずまた座った。

「心配はいらないよ。
ただ壁外で1体だけでもいいから巨人と遭遇したら構わない」

「という事は、私が記憶を無くすかどうかの実験ですね」

「そういう事だ」

そう言ってエルヴィンはハンジへと視線を移す。

「だから今回も巨人の捕獲は無しって事だ。
分かってくれたかい?」

「それだったら納得だけど…
それを先に言ってくれれば作戦を考えなくても済んだのに」

「まだ許可を取ろうと粘っていやがったのか」

「当たり前でしょ!」

それを聞いてエルヴィンはハンジに言った。

「ハンジ、いくら作戦を考えても私の考えを優先するから無駄になるよ」

「もしかしたらって事があるじゃない」

「「無いな」」

リヴァイとミケが同時に同じ言葉を放った事でエミとエルヴィンは思わず吹いた。

「それでどうやって壁外に行くんだ?
たった3人だけの為に門は開かねぇだろ」

「それについてだが、リフトを使って3人分の馬を壁外に移して貰うように駐屯兵団に頼んである」

「用意周到だな」

リヴァイが少し皮肉を交えて言うとエルヴィンは気にする事も無く言った。

「兵団が違うから予め早めに言っておくのが得策なんだよ」

「あの1つ聞いてもいいですか?」

エミは疑問に思った事を聞く。

「交戦する巨人は1体だけって言いましたが、それで分かるのですか?」

「勿論分かるよ。
君は今まで壁外では奇行種でも普通の巨人でも記憶を無くしていたからね。
どんな巨人でも構わない」

「なるほど」

「前の調査の時の様子を俺達は見ている。
記憶が無くなる時の状態は把握しているから、その辺は気にせずに俺とエルヴィンに任せろ」

そう言いながらリヴァイはエミの頭をポンポンと叩いた。

「とりあえず中央に居た時には満足に演習が出来ていないだろうから、壁外に行くまでに演習をして感覚を戻しておいてくれないかな」

「はい」

会議を終え自室に戻ろうとしてエミはある事を思い出した。

「荷物がまだ馬車の中に…」

「大丈夫!
荷物ならモブリットに任せたから」

「お前…もう少し部下の気持ちを考えろ」
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