第13章 帰還
兵舎に到着した時にはもう既に夜になっていた。
到着するまでリヴァイはエミの膝枕でぐっすりと寝ており、寝顔を堪能できた。
リヴァイを起こすと背伸びをしながら一緒に馬車を下りた。
「エミ~!」
懐かしい声を聞いて振り向くとハンジが飛びついてきて、少しよろめく。
「おかえり、エミ」
「ハンジさん、ただいま」
そう言い合っていると間にリヴァイが割り込んできた。
「気安く触るな、クソメガネ」
「女同士なんだからいいじゃない!」
2人が口喧嘩している姿が懐かしくて思わず微笑んだ。
「おやおや、折角エミが帰って来たというのに早速喧嘩かい?」
エルヴィンがにこやかにやって来たのでエミは敬礼をした。
「団長、この度は有難うございます」
「私の事は気にしなくていいよ。
君が帰って来れただけでも嬉しいからね」
やっぱりここが自分の居場所だ…
エミは改めて思った。
「さて、そろそろ夕飯の時間だよ。
ちなみに他の兵士には君が帰って来た事は告げていない。
サプライズだ」
エルヴィンが楽しそうに話すのでまた思わず微笑んでしまう。
4人はそのまま食堂へ向かうと入口で待つようにエミは言われた。
そしてドアを開けて3人は食堂に入ると『皆にサプライズを用意した』という声が聞こえる。
するとリヴァイが入口の外に来てエミの手を引っ張って食堂に入れるとその場に居た兵士が驚いて見てきた。
「エミはまた今日から調査兵団に所属する事になった」
エルヴィンがそう言うと兵士達は嬉しそうに歓声を上げる。
こちらに走って来ようとする兵士達をリヴァイが静止し、静かに話した。
「こいつは今日俺の妻になった」
その言葉に先程まで嬉しそうにしていた兵士達の動きが止まる。
「詳しくは言えないが、エミが憲兵に行った理由は俺と結婚する為だ。
もうこいつは俺の物だ。
気安く触るんじゃねぇぞ」
さすがにリヴァイの言葉に反論する者は居ない。
反論したら間違いなく殺される…
きっとこの場に居る兵士は皆同じ事を思っているだろう。
「エミ、君からも何か言ってあげてくれ」
「はい」
エルヴィンに言われ、エミは皆の前に立ち満面の笑みで言った。
「皆、ただいま!」