• テキストサイズ


第13章 帰還


内地から調査兵団の兵舎までの道のりは遠いが、休む事無く馬車を走らせた。

「兵長」

「どうした」

「私が居ない間どういうお気持ちでした?」

リヴァイは即答で答えた。

「普通だ」

「酷いです…」

「お前は冗談が通じねぇな」

キスをした後また抱き寄せられて密着した状態だが、リヴァイの声色から嬉しそうなのが分かる。

「お前が渡してきた指輪でどうにか耐えれた」

そう言って胸ポケットから指輪を取り出すとエミの左手を持ち、指輪をはめた。

「お前の事を考える時はいつも眺めていた」

「もしかして団長に見せました?」

微笑みながら言うとリヴァイはため息をついた。

「何で分かった」

「兵長の事ですから。
それに隠し事は仕事以外の事ではあまりしない人です」

「エルヴィンから聞いたのか?」

「いえ、私の勘です。
まさか当たっているとは思っていませんでした」

「さすがだな」

そう言ってリヴァイはまたキスをしてきた。

「結婚が認められたから、もう俺とお前は夫婦だな」

耳元で囁かれ、エミの顔が真っ赤になる。

「…まだ実感が」

「俺は付き合う時に結婚する気だった」

「!!」

驚いてリヴァイの顔を見ると真面目な顔をしていた。

「俺は遊びで付き合うつもりは無い。
むしろ、好きでも無い女に触られるだけでも直ぐにシャワーを浴びたくなる」

エミは思いっきり笑った。

「では壁外調査前はシャワーの回数が凄そうですね」

「さすがに呼び出されまくるからそうでも無いが…
夜になって解放されたら何回も洗っているな」

「そういう兵長が私は好きです」

そう言うとリヴァイの顔が少し赤くなった。

「もしかして恥ずかしかったですか?」

「うるせぇ」

顔を見られたく無かったのかリヴァイはエミの頭を強引に肩に乗せた。

「あっ」

「どうした」

「結婚式…どうします?」

「それなら心配する事は無い」

淡々と答えるリヴァイの顔を見たかったが手で押さえられている為、頭を動かすことが出来ない。

「少し寝てもいいか?
早朝に起こされて迎えに行ったから眠い」

「では膝枕でもしましょうか?」

エミは少し離れるとリヴァイが頭を乗せてくる。

「悪くない」

それだけ言うと静かに寝息をたて始め、初めて寝顔を見る事が出来た。
/ 163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp