第1章 ✡プロローグ ~運命的なシチュエーション⁉︎~
『凄い…ッ偉いね!…』
シンと静まり返った校庭にワタシの声が反響した。
「い、今のは忘れて。ワタシは日直で先生の雑用を...って別に聞いてないよね⁉︎」
「いや、今聞こうとしてたとこ。それにしても、萌衣子先生図々しいな。」
「あはは、本当調子いいんだよあの人。」
怒って...ないみたい。
あたしはホット息を吐くと、胸を撫で下ろした。
もしかしてワタシ今、男子と自然に話せてる?
ダメ勘違い。あんまり長居するのも練習の邪魔になっちゃうよね?
「ワ、ワタシそろそろ帰らなきゃ...」
バイバイを切り出した、途端に胸が騒つく。
心の中のワタシが叫ぶ、本当はもっと話してみたいから。
そんなわがまま高望みでしょ?独り占めなんて。
「そっかじゃあ..…恵愛さん、また明日。」
「は、はい!」
急に名前でなんて呼ぶから、ワタシは赤面しながらも元気良く返事した。