第1章 ✡プロローグ ~運命的なシチュエーション⁉︎~
彼はワタシに気づくと、小走りでこちらに踏み寄ってきた。
「あれ、羽沙美さん?まだ残ってたんだ。」
「ひゃう⁉︎えっと、仲島君こそ!あれ⁉︎なんでワタシなんかの名前を⁉︎」
ワタシは軽いパニック状態になりつつどうにか受け答えをした。
「ふはっ、面白いな羽沙美さん。同じクラスなんだし当たり前だろ?」
「ワタシはちっとも面白い人間じゃ…」
「ははは、面白いよ。」
「そ、そんな…あ。そうだ、仲島君は何やってたの?」
ふわふわ夢心地な時間を十分に満喫したところで我に返った。
(あわわ、ワタシはバカなの?…ワタシはバカだよ⁉︎)
絶大的な人気を誇るクラスのアイドル、
あの、仲島空汰君に進んで話題振っちゃうなんて勘違いもいいとこだ。
「自主練。一応ほら、陸上部だから。」