第2章 ✡〜好きな人が出来ました〜
「いってぇ、あ、すいませ…」
・・・凛音のぶつかった相手は、不幸なことに萌依子先生だった。
「「ひぎゃっ」」
ワタシと未来は反射的に手を取り合った。
同時にそろりそろりと後ずさって、その場を離れようと試みたけれど、
萌衣子先生は一瞬の隙も見せずに素早くこちらに向き直った。
バッチリと視線が混じり合う。
…回避不可能。
険しい表情で「ゴホンッ」と一回咳払いをすると睨みつけるような目でワタシ達を見た。
「ぶつかったことは全然しょうがない、だがな…」
「もし、あたしじゃない誰かにぶつかってたらどーすんだ。
げ、学級委員様の未来もいる⁉︎廊下ではしゃぎすぎだ。大体あんたらはもう高校生だぞ?
忠告、いいかげん廊下で騒ぐな。なんでこうこんなにも落ち着きがないのか…」
(以下省略…。)
…どこかから地獄の説教タイムが始まる合図が聴こえた。