第2章 ✡〜好きな人が出来ました〜
「何笑っとんじゃ〜未来も謝れぃ‼︎」
「わー、ごめんなさ〜ぃ」
正面から未来にばっと飛びつくとそのまま脇のところをくすぐる。
しばらくじゃれ合う二人を遠目に眺めてハッとした。
「ひょっとして抜けもの扱い⁉︎ワタシも混ぜてーっ!」
「めぐ、勝負よ」と未来はボクサーポーズで構えてみせる。とても強そうには見えないけど...。
凛音は相変わらずのハイテンションで「来れるもんならここまでおいで〜」
とノリノリでワタシを挑発をすると一気に階段の方へ駆け出した。
・・・すっかり恒例になった、くすぐり合戦。
けれど、最悪な事態が発生した。凛音の向かう先に突然ひょっこりと人影が現れたのだ。
「待って、危ないわ!」
「凛音ッ、前‼︎」
ワタシ達は咄嗟に呼び止めたけど、間に合わなかった。
ドスンッ
鈍い音が反響し、我に返るとワタシ達は大急ぎで後を追った。