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短い話。

第8章 恋文。


どんどんと移り変わる季節の中で、毎年冬の夜になんとなくあなたを思い出しては、クダラナイ。と一言自分に言ってるの。
確かに私はあなたが好きで、多分どうしようもなく不安でいた時に、ふと目の前に現れたあなたに少し頼って、それが偶然二回も起きて、私はあなたが好きになったの。
ただ何にもしない間柄だったね、手も繋げない、名前も呼び会えない、近所を散歩して、少し電車に乗って、お互いの会話が続かなくて、でもそんな些細な時が確かに好きで、あなたと入れた時間は確かに大切でした。今どこで何をしてるのかなんて知りませんが、たまにあなたの家の前を通る時、未だに使ってる古い車を見ては安心してます。あなたがまだこの街のどこかで生きていることの証明みたいに、そんなことを、なんとなでも考えながら、今日も私はこの街を自転車で駆け抜けています。

また、あの日と同じように、どうしようもなく私が迷子になり、不安でどうしようもない時、どうかあなたがまた私の目の前に現れてくれることを、私は今日願います。
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