第11章 猫と鷹 5-1
最後に少し、すこしだけ、
猫と首元から手を入れ、胸を探った。
猫「いいよ?」
そのひとことが、限界だった。
ノースリーブをぬいで、触れる猫の温もりに俺はたくさんのことを感じた。
鷹「簡単に、大切なもの触らせるな」
猫「鷹だもん」
それだけ、
愛おしく抱きしてられた。
猫「私はね、おかしな猫なの、
あなたを愛したいけど、愛せないの、
世の中でこの関係が言葉になるなら、それはきっとセックスフレンドみたいなものでさ、でもそんな言葉じゃないの、私はね、鷹が好きだから」
放たれた言葉を飲み込めない俺がいた。
今はどうでもいい。
この関係が壊れるぐらいただムチャクチャにしたいだけだった。
奴の胸に触れる。
優しく、優しく、
抱きしめた時、猫はスルッと耳たぶを食べる。
優しく、優しく
触れるか触れないかギリギリの関係、
触れてた胸を舐め、吸い、噛み、
その間ずっと俺の頭を優しく撫でる猫
喘ぎ声などない。
静かな昼の一人暮らしの部屋
それ以上もそれ以下もない、
猫と鷹の関係。
それらは、一線を越えたようで超えていない、
越えられない、そんな関係
鷹だけが猫を愛し
猫は誰も愛せない