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短い話。

第3章 おめでとう。


おめでとう。


君はこれからきっと幸せになれる。
私から離れたからきっと君は幸せになれる。


私と君は釣り合ってないんだ。

あんなに一緒に時間を過ごしたけれども、それでも何ミリも距離は縮まらなかった。そもそも君と私の間には距離さえも存在しなかった。


遠くの世界同士が窓から顔を出して挨拶をしてるような、そういう関係だったんだ。

窓から見えることは少ない。


私たちは綺麗なものしか見せてなかったんだ。

君はそうじゃないと思うかもしれない。
でも私はそうなんだ、私は君に綺麗なところしか見せてなかった。

本当、どうしようもないよね。

私はあなたとの距離を自分から縮めようとしてないんだから。本当にどうしようもないね。


だから、だから、


おめでとう。


私とあなたは窓を閉じた。
もうあなたの世界は見えない。私の世界も見せない。私とあなたは別れたのだから、
もう、とらわれないのだから。

窓から離れよう。

互いの世界に戻ろう。


おめでとう。

君は幸せになって。

私が心から望んだ窓の向こうのあなたの世界で、

私は、
自分の窓を閉めるよ。
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