第6章 最強の味方
「ねぇ、日向君はどうしてそんなに影山君と張り合うというか…。ライバル視、してるんだ?」
「そうだよ、俺ならできるだけ強い奴とは争いたくないけどなぁ。」
「おれ、中学の試合一度しか出たことなくて…。そこで、影山とあたって…。影山は、何やっても上手くて、背もおれよりずっとでかくて…。とにかくつよくて…。目の前に立たれるの、スッゲー嫌でした。」
翔陽の話を元に、ネットの挟んで飛雄に立たれるのを想像したのだろう。
「わかる気がする。」
菅原は、嫌そうな顔を浮かべる。
「だから、その影山を倒してやろうと思って烏野に来たんですけど…。」
「ふーん、じゃぁさぁ。日向は、影山を倒したくてバレーやるの?」
予想にもしてない菅原の言葉に、驚きを隠せずにいた。
「えっと……、影山を倒せるくらい強くなりたいんです。そうすればきっと、色んな強い相手とも互角に戦えるし。試合で簡単に、負けたりしない。おれ、もう負けたくないんです。」
そんな会話を、曲がり角の向こうに一人聞いてい者ー飛雄がいたことに誰一人として気づくことはなかった。
影山は、乳酸飲料を手にその場から去っていった。