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ハイキュー 〜約束を果たすまで〜

第5章 単細胞生物


そんな様子を、じっと見つめる姿があった。
「目の前にコートもボールもあるのに…。お預けは酷いよ…。」
体育館の窓枠から、翔陽は先輩から直々の指導を受ける依流の姿を見つめていた。
対して飛雄は、眉間に深い皺を作っていた。
「俺は戦力になる。部に入る理由なんてそれだけで十分だ。」
自信に満ち溢れた飛雄に対して、翔陽は戸惑いを隠せなかった。
「で、でも、何をどいするんだよ?」
決まってるだろとばかりに、飛雄は即答する。
「俺逹二人で、二対二の勝負挑んで勝ったら入れてもらう。試合で一緒に戦えば、嫌でも仲間っぽく見えるだろ。」
「せ、先輩相手にかよっ!負けたらどうするんだよっ!」
「負けねぇよ、俺がいる。お前はできる限り、全力で俺の足を引っ張らない努力をしろよ。」
ぶっきらぼうで冷たい言葉に、翔陽はショックを受けた。
「そんなこと言われて、ハイ努力しますなんて言う奴いねぇんだよっ!」
「じゃどうすんだ。ずっとそっから、眺めてるつもりか?」
翔陽は、眺めると言われあの日の…。
中学時代を思い出していた。
あの日、体育館の隅で練習したことを。
あの日、廊下で練習したことを。
あの日、試合をしたことを。
決意は、固まった。
二人の作戦タイム、タイムリミットは部活終了5分前まで。
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