第5章 意外な策士(緑川駿)
「名前さーん!」
今日もやってきた。
つーかよく懲りないよなぁ。
「またか。いい加減降りろ」
「え!?俺今抱きついたばっかだよ?」
今までのしかかってた訳じゃなかったのかよ。
そう思っていると、いつも感じる事のない感覚に襲われた。
「っ!」
「あ、名前さん耳弱かったんだ」
緑川に、耳を舐められた。
いつもはこんな事をしない。
というか、のしかかり方も違う。
いつもは手があたしの首に回っているのに、何か、腰とかに……
「ちょ、お前何して!」
「ん?耳舐めてるけど。でも名前さん、体跳ねちゃうくらい耳感じちゃったの?」
「っ、どういう意味だ……!」
「ははっ、名前さん可愛い」
耳元で囁かれ、体が跳ねてしまう。
何だこれは?
今までこんな事してこなかったし、体がおかしい。
今までなかった?