第3章 疲労熱注意報(空閑遊真)
「名前さん、落ち着いた?」
「まぁね」
「じゃ、じゃあ僕たち帰るから! 」
「う、うん、そうだね!じゃ、またね、遊真くん」
2人は何故か顔を赤く染めながら、あたふたと帰っていった。
『………見てたな、アレは』
「だろうね。でもいいや、オサムは知ってるし、俺の気持ち」
本人は知らないけど、と心の中で呟きながら、自分の布団で寝ている名前を見た。
「ま、治ったらまず説教だな。勝手に本部に行った事と、他人に頼ろうとしない事」
だから、こんな風に倒れちゃうんだ。
1人で頑張り過ぎるから。
「少しくらい俺を頼ってよ、名前さん」
眠る名前の髪を自分の指に絡ませながら、空閑は名前の回復を願うのだった。
→おまけ